内容証明への対応

内容証明郵便は、一般書留扱いのため、郵便局の配達員から直接手渡しされ、受領のサインか捺印をして受け取ります。また、封筒には、赤字で「内容証明郵便」とスタンプされています。

書面の文中には、「本書受領後2週間以内に下記金融機関口座へ金○百万円をお支払い下さい」とか、「誠意なき場合、訴訟その他の法的手続きを取ります」など、穏やかでない記述が、いくつもなされています。受領した人にとっては、相当な精神的プレッシャーを受けるのは確かでしょう。

内容証明郵便について、回答をしなければ法的に問題が生じるといった誤解をされる方が多くいます。内容証明郵便は、単なる手紙ですから、返事を書かないからといって、何らかの法的効力が生じる訳ではありませんし、勝手に不利になる訳ではありません。

ただし、男女の問題においては、被害者感情のような部分が絶対的に強いですから、返事がなければ、怒りを増幅させる危険があり、かえって、まとまるものもまとまらなくなることも考えられます。

ちなみに、内容証明郵便を受取拒否した場合や、不在票が届いたものを、そのまま放置した場合、裁判上でも、内容を知っていて、わざと受け取らなかったと、不利に判断されることがありますので、きちんと受領はするようにして下さい。まして、どんなに正当な言い分があったとしても、回答しないまま裁判を起こされてしまったら、わざわざ弁護士に依頼したり、口頭弁論に出頭したり、過分な費用や時間・労力などの負担を強いられる訳ですから、損はあっても、得はありません。もちろん、裁判でも、どうしてこのような請求を受け取りながら、何の回答もしなかったのかと、不利な推定が働く危険だってあるのです。よって、きちんと何らかの回答をした方がいいのは、いうまでもありません。

ただし、気をつけなければいけないのは、相手の被害者感情を逆撫でしてしまえば、まとまるものもまとまらなくなる、ということです。安易に法律論で回答を済ませるようなことは、要注意です。内容証明が届いたからといって、慌てて記載された金額を振り込んでしまうのも、危険な場合があります。通常、慰謝料の請求額は、相当額より高額な請求をすることが多いですので、相手と折り合いをつけ、妥当な金額にする必要があります。また、あとで、追加請求の通知が届かないという保証もありません。慰謝料を支払う前に、しっかりと相手方と、原因事実と慰謝料である旨、金額、支払方法等の必要事項を定め、「本件に定める他、何等の債権債務が無いことを確認する」という趣旨の清算条項を記した「示談書」を取り交わしてから支払うことが大切です。お金のやり取りは慎重にされた方が賢明ですので、専門家へ相談されることをお勧めします。

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